改正高年齢者雇用安定法とは?概要とポイントを解説!老後の働き方のヒントも紹介

改正高年齢者雇用安定法とは?概要とポイントを解説!老後の働き方のヒントも紹介

日本の人口は2010年を境に減少を続けており、2025年には約800万人いる全ての「団塊の世代」(1947~1949年生まれ)が後期高齢者(75歳以上)となることで、国民の5人に1人が後期高齢者という超高齢化社会を迎えます。労働人口の減少が社会問題となる現代で、健康面・能力面から働き続けたいと考える高齢者が増えており、また将来定年になったときの収入源が心配、何歳まで仕事ができるのか不安、長く働ける仕事が欲しい、と考えている方も多いのではないでしょうか。

今回は働き方を考える豆知識として、高年齢者の雇用促進のために制定された「高年齢者雇用安定法」について、社会情勢にあわせて改正となった内容を中心にご紹介していきます。

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高年齢者雇用安定法とは?

高年齢者雇用安定法とは?

法案の目的

高年齢者雇用安定法は、定年の引き上げや継続雇用制度の導入等によって、経済社会の活力を維持するため、働く意欲がある高年齢者がその能力を十分に発揮できるなど、高年齢者が活躍できる環境の整備を目的として制定されました。

法案の背景

高齢者雇用安定法が制定された背景にはいくつかの社会的課題があります。

①高齢者の人口が増加

人口構造が変化し、現代日本は超高齢化社会とも呼ばれ高齢者層の人口比率が多くなりました。高齢者が労働市場において重要な存在となり、雇用問題が注目されるようになりました。

②労働人口の減少と労働市場の変化

少子高齢化に伴って、労働市場も急速に変化しています。15歳以上の人口のうち、就業中の総数を指す「労働人口」が減少している問題について、高齢者も柔軟に雇用機会が求められていくことが重視されています。

③高齢者の社会的安定

増える高齢者の経済的な自立について、社会全体で支援が必要であり、社会情勢を安定化していく上で重要な要素とみなされています。

高年齢者雇用安定法の改正内容について

もともと1971年に「中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法」として制定されていましたが、1986年に「高年齢者雇用安定法」と名称が変更され、2013年には60歳未満の定年の禁止と65歳までの雇用確保措置を企業に義務付ける内容に改正されました。
さらに、年金制度改革で厚生年金の支給開始年齢が段階的に引き上げられており、定年退職後に年金がもらえるタイミングではないのに、退職し仕事がないという状況が生まれないようにする必要が生じました。年金支給と雇用の継続との兼ね合いを解決するために、2021年4月に高年齢者雇用安定法が改正されることとなりました。

2021年の改正内容について

大きな特徴として、「65歳までの雇用確保」の措置が「70歳まで」へと引き上げられました。

対象となる事業主は

  • 定年を65歳以上70歳未満に定めている事業主
  • 65歳までの継続雇用制度を導入している事業主

対象となる措置(努力義務)

企業側は、以下の(1)~(5)のうち、いずれかの措置を講じるよう努める必要があります。

(1)定年を70歳に引き上げ
(2)70歳まで継続雇用する制度の導入
(3)定年制の廃止
(4)70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度の導入
(5)70歳まで継続的に以下の事業に従事できる制度の導入
   a.事業主が自ら実施する社会貢献事業
   b.事業主が委託、出資(資金提供)等する団体が行う社会貢献事業

努力義務とは?

2020年改正における「70歳までの就業確保措置」は“努力義務”として定められています。「必ずしなければならない」義務に対して、「努めなければならない」のが努力義務です。実施していないことで罰則は設けられていませんが、行政指導の対象となることはあります。そのためハローワーク等からの指導・助言、状況が改善しなければ措置導入の計画作成を勧告、それでも従わなければ社名公表といった指導が行われる場合があります。

改正高年齢者雇用安定法のポイント

改正高年齢者雇用安定法で注目したいポイントをいくつか紹介します。

  • 正社員なのかアルバイト・パートなのかといった継続雇用の雇用形態は問われませんが、65歳まできちんと働ける契約になってなければなりません。65歳までの安定雇用を重視した内容となっています。
  • 70歳になるまでの期間は努力義務ですが、就業機会の確保ができるように努めなければいけません。雇用契約ではなく、業務委託契約を締結したり社会貢献事業に従事したりなどでも就業機会の確保として認めます。
  • ただしシルバー人材センターへの登録、再就職のマッチング企業などへの登録は認められません。就職先が決定していることが必要です。

定年後も働くことについて

定年後も働くことについてのイメージ

メリット・デメリット

改正高年齢者雇用安定法によって、労働者にとってはより長く収入が確保できるという大きなメリットがあります。また単に収入を得る以外にも社会参加ができ、心身の健康が維持できるなどの効果も期待できます。
デメリットは、収入により変わってきますが、本来仕事をしない場合でももらえるはずの年金が減額等になる点や、自由な時間が無くなる等があります。減額についての詳しい内容をご紹介します。

高年齢雇用継続給付と年金の調整

日本年金機構では、高年齢雇用継続給付を受ける場合の調整について下記のように記載されています。

”雇用保険の高年齢雇用継続給付とは、雇用保険の被保険者期間が5年以上ある60歳以上65歳未満の雇用保険の被保険者に対して、賃金額が60歳到達時の75%未満となった方を対象に、最高で賃金額の15%に相当する額を支給するものです。 厚生年金保険の被保険者の方で、特別支給の老齢厚生年金などの65歳になるまでの老齢年金を受けている方が雇用保険の高年齢雇用継続給付(高年齢雇用継続基本給付金・高年齢再就職給付金)を受けられるときは、在職による年金の支給停止に加えて年金の一部が支給停止されます。 支給停止される年金額は、最高で賃金(標準報酬月額)の6%に当たる額です。”

引用:日本年金機構 「年金と雇用保険の高年齢雇用継続給付との調整」

https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/roureinenkin/koyou-chosei/20140421-02.html

定年後の働き方は考え方次第でメリットにも

定年となる高年齢者の働き方については、多様な選択肢があります。

  • 雇用延長
  • 転職(正社員)
  • アルバイト、パート
  • 独立

などが例に挙げられます。短時間などで仕事をするという方法や独立・起業をする選択肢もあります。働き方を変えるという選択肢は、定年後に仕事以外のことをするという目的がない限りは、定年後も仕事を続けるメリットの方が大きくなると考えられます。

定年後も働く場合の年金は?

年金の支給開始年齢は、60歳から65歳へと段階的に引き上げられつつあり、65歳支給開始(男性:1961年4月2日以降生まれ、女性:66年4月2日以降生まれ。会社員等の場合)の人は、65歳になると老齢基礎年金と老齢厚生年金を受給できるようになります。

在職老齢年制度の緩和で「48万円超え」は年金額が調整

現行の制度では、年金の支給が停止される基準額は、賃金と年金の合計額につき「28万円」です。しかし、制度改正により、基準額が「47万円」に緩和されました。2022年4月からは、基準額47万円までは在職老齢年金は減額・支給停止されないので、より多様な働き方が可能となります。

働き方によっては年金が減額されない場合も

在職老齢年金が適用となるのは厚生年金に加入している場合なので、国民年金に加入している自営業や個人事業主として独立開業する場合や、アルバイト・パートとして働いているが厚生年金の加入対象外の場合は、収入額にかかわらず厚生年金が減額されることはありません。
定年を迎えたときの働き方の選択肢の一つとしておすすめです。

65歳を過ぎても現役で働けるおそうじ本舗のフランチャイズ

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