フランチャイズで独立開業!個人事業主と法人それぞれのメリットを紹介
フランチャイズチェーンとは?
チェーンストアの仕組みとメリットについて
私たちが普段生活する中で、コンビニエンスストアやファミリーレストラン、ラーメン店をはじめとした同一の店舗を全国的あるいは一定の地域でよく見かけませんか?
一般的には、これらの店舗のことを「チェーンストア」と呼んでいます。実は、こういったチェーンストアは「レギュラーチェーン」、「フランチャイズチェーン」「ボランタリーチェーン」の3種類に分類され、それぞれ経営形態が異なります。
チェーンストアの存在を知っている人は多いものの、具体的にどんなものか、どんな種類があるかは意外と知られていません。
本記事では、起業・独立開業の豆知識として、チェーンストアの事業展開の種類や特徴、フランチャイズチェーン方式のメリットについてご紹介します。起業・独立開業を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
チェーンストアとは?含まれる3つの種類について
チェーンストアとは、一つの企業が多店舗展開を行い、本社としてブランドや経営方針、サービス内容、外観を統一して運営・管理する経営の形態です。
チェーンストアには、レギュラー・チェーン、ボランタリー・チェーン、フランチャイズ・チェーンと3つの方式があります。多店舗展開を目指す方は、それぞれの方式の特徴や違いを知っておく必要があります。
自社のビジネスに最適なチェーンストアの形態を把握するためにも、それぞれの方式について理解しておきましょう。
レギュラー・チェーンとは
レギュラー・チェーンは本社直営のチェーンストアを指し、コーポレート・チェーンとも呼ばれています。本社がすべての店舗の人材や経営方針などを統括しているのが特徴です。
また、レギュラー・チェーンは本社が経営を統括しているため、統一感のある運営ができる点が強みです。サービスや品質を均一化できるため、ブランドイメージを高めやすい傾向があります。ブランドイメージを重視している会社には最適といえるでしょう。
一方、デメリットといえる点は、加盟店が独自に運営方針を変更できないことです。サービスや商品、価格にオリジナリティーを出したり、エリアのニーズにマッチした施策を打ち出すことは難しいといわれています。
ボランタリー・チェーンとは
ボランタリー・チェーンは、それぞれ独立した店舗同士が手を結び、1つの組織として事業展開していくチェーン方式です。仕入れ・商品開発・販売促進や集客を共同で行います。
ボランタリー・チェーン形式で店舗展開を行うメリットは2つあります。まず、加盟店同士の繋がりが強く、仕入れや商品開発などの経営ノウハウを共有しているので、コストを抑えて運営できます。 次に、本社と店舗という上下関係がボランタリー・チェーンにはありません。顧客ニーズの変化や店舗の売り上げに応じて、柔軟に経営することができます。ですのでボランタリー・チェーンでのビジネスが成長するかどうかは、それぞれの経営者の腕次第です。
ボランタリー・チェーンのデメリットとして挙げられる点は、本社と店舗という上下関係がないことで統括機能が弱くなるところです。管理をしっかり行わないと経営リスクが高くなり、場合によってはトラブルが生じることもあります。ボランタリー・チェーンを採用する場合は、経営方針やトラブルの対処方法などを事前に考えておく必要があります。
フランチャイズ・チェーンとは
フランチャイズ・チェーンとは、本社と店舗オーナーがそれぞれフランチャイズ契約を結ぶ形態です。コンビニエンスストアやハウスクリーニングは、フランチャイズ・チェーンの代表例といえるでしょう。
加盟店の経営者は各店舗を独自の資金で開業・運営を行い、フランチャイズ本部は経営ノウハウ、集客サポートを行います。加盟店は、商品・サービスの開発やプロモーションは行いません。
加盟店と本社のどちらにもメリットがあるのは、フランチャイズ・チェーンならではの特徴です。加盟店は本社の経営ノウハウを活かして安定的な経営ができるだけでなく、複数の加盟店を運営することも可能です。
一方、本社は時間や費用を抑えて事業拡大できます。
加盟店と本社それぞれのメリットをご紹介しましたが、デメリットもあります。
加盟者が自由な店舗運営をすることが難しいことです。取り扱い商品や仕入れのルート、販売価格などは決められています。自由にやりたいという方には、
あまり向かないかもしれません。
本社側にとってのデメリットは、次の章で解説します。
チェーン展開のメリット・デメリット
多店舗経営を効率的に行うためには、チェーンストア方式を検討する本部も少なくありません。チェーン展開を検討する本部は、チェーン展開のメリット・デメリットの両方を把握しておきましょう。
それではチェーン展開のメリット・デメリットをそれぞれ解説します。
メリット①:実績・データを蓄積できる
フランチャイズは、加盟店の数だけ実績やデータも増えることになります。日本全国の様々なエリアの店の情報を蓄積することで、アップデートすべき点を見つけることができます。エリアごとの課題を把握することも可能でしょう。
マニュアルをブラッシュアップすることで、さらに質の高いサービスや商品を提供できるようになります。その結果、集客力や人気を高めることが期待できます。
メリット②:コストを削減できる
チェーン展開することで、初期コスト・仕入れコスト・流通コストなどを削減することが可能です。さらに、チェーンストアは一度に大量の仕入れをするので、その分仕入れコストを抑えることができます。仕入れコストを抑えると、販売価格も下げやすくなるでしょう。
ほかにも、運営コストも削減することも可能です。ディスプレイ棚や備品などを統一したり既存のものを活用したりすることで、運営コストを抑えられます。
メリット③:店舗オぺレーションの最適化
マニュアル化された経営ノウハウが各店舗に共有されているため、自ずとオペレーションが最適化されます。店舗によって、商品やサービスに質の差が生まれることがありません。
本部から指示を受けて、どの店舗でも同じクオリティの商品やサービスを提供するので、自ずと顧客満足度も高くなります。
メリット④:多店舗展開により知名度が高まる
多店舗展開することで、自ずと人目に触れるチャンスは増えます。全国規模の展開をすると、より多くの顧客に商品やサービスを提供することが可能になるでしょう。知名度をよりアップしたい方には、多店舗展開をおすすめします。
新規エリアでの出店はエリアの新規開拓に繋がるし、同じエリア内で複数の店舗を出店することは地域住民の間で口コミになりやすいです。
デメリット②:ブランドイメージが売り上げに影響する
フランチャイズは、企業のブランドイメージが売り上げに影響しやすいです。したがって、例え1店舗でもブランドイメージを損なうような行為、不正行為などがあったら、企業全体のブランドイメージが悪くなってしまう傾向があります。
食中毒やアルバイトによる悪ふざけの動画などが、その例です。ブランドイメージの悪化を防ぐためにも、企業側は徹底したモラル教育や衛生管理などを行う必要があります。
デメリット③:店舗間格差が発生するリスクがある
フランチャイズの売り上げは、加盟者つまりオーナーの裁量次第。売り上げの大きな店もあれば、売り上げの小さな店もあります。オーナーの店舗経営能力によって、サービスに差が出てしまうことも考えられます。
店舗間格差をなくすには、フォローアップ体制のさらなる充実が求められます。スキルアップ研修、先輩オーナーに相談できる場を設けるなど、様々な工夫が必要です。
デメリット④:エリアによっては親和性が低くなる場合もある
出店するエリアによっては、親和性が低くなるケースもあります。フランチャイズチェーンの業種・業務内容が、出店したエリアの地域性に合わないケースもあることを理解しておきましょう。
出店エリアは売り上げを左右することもあるので、慎重に選ぶことが望ましいです。出店するからには、自社と親和性が高いエリアにしたいもの。
本部は、地域ごとの特性を分析し、業務に反映させることが望ましいです。さらに地域で積極的なコミュニケーションを行うことで、地域との親和性を高めることができるでしょう。
フランチャイズ・チェーンに加盟するメリット
次は、オーナー側のメリットです。フランチャイズ・チェーンに加盟することは、主に3つのメリットがあります。
メリット①:未経験からでも加盟して起業・独立開業できる
未経験でも参入しやすいのが、フランチャイズのメリットです。本部のマニュアル、充実した研修やアフターフォローが充実しているため、未経験でも安心です。
仕入れ先や流通ルートは、本部のものを利用できるので、新たに仕入れ先や流通経路を探す必要もありません。店舗運営や接客のマニュアルもあるので、独立・開業へのハードルが低いです。
また、開業にはコストがかかるのが一般的ですが、フランチャイズの場合は本部が開業資金の一部を負担してくれることもあります。さらに、本部の信用があるので、金融機関から融資を受けやすいのもメリットです。
メリット②:フランチャイズ本部のブランド力を利用できる
本部にはブランド力があるため、加盟店オーナーにとっては自身の力で広告活動を行いつつ、集客しやすい環境となっています。個人で開業する場合は集客に苦労することもありますが、フランチャイズの場合は開業時から知名度があります。開業初日から行列ができることもあるかもしれません。
ブランド力があると、店の看板を見ただけでどんな商品があるかイメージしてもらえます。ブランドイメージを一から作る必要がないのは、フランチャイズの強みといってよいでしょう。
メリット③:広告宣伝費の削減ができる
開業後、集客効果を高めるには、広告宣伝が重要になります。個人で起業する場合、自分で広告を打つか、外注するかのどちらかが多いでしょう。
しかし、フランチャイズの場合、本部がテレビCMやチラシ、WEBのキーワード検索上位ヒットなど、あらゆる方法で集客をサポートします。広告宣伝費を削減できるだけでなく集客効果も期待できるので、一石二鳥です。