独立開業したいものの、できるだけリスクを抑えたい方や安定した経営ができるのか不安な方もいると思います。そこで、独立開業に挑戦しやすい仕事をご紹介します。

独立開業しやすい仕事は、主に3つの種類に分けることができます。1つめは在宅で働きたい人向け、2つめは専門スキルを活かして働きたい人向け、3つめは専門資格を取って働きたい人向けの仕事です。それでは、1つずつご紹介します。

まずは、在宅で働きたい人向けの仕事例です。対面での打ち合わせなどが必要なこともありますが、基本的にはパソコンがあれば働くことができる、自由に場所を選びながら仕事がしやすい仕事をご紹介します。

①ブログ運営・アフィリエイト・動画配信

ブログサイト作成・運営は、記事や動画などのコンテンツを作り、広告で収入を得る仕組みです。一方、アフィリエイトは、自分のブログやSNSで商品を紹介し、読者が購入や申込のアクションを起こしたら、報酬を得ることができる仕組みです。

次に、動画配信です。動画配信は動画投稿サイトなどを活用して広告収入を得ます。動画編集のためのパソコンや収録用のマイクがあれば始めることができます。動画の質にこだわらない場合は、スマホで動画撮影しても構いません。

ライブ配信をメインにする場合、投げ銭システムを利用するのも1つの方法です。投げ銭システムとは、視聴者が動画の配信者に対してオンライン上で送金するシステムのことです。
人気が出ると、投げ銭だけでもかなり稼げるようになります。ただし、ある程度稼げるようになるまでには、時間がかかります。最初は副業として挑戦してみるのもよいかもしれません。

②WEBライター

WEBメディアのコンテンツ制作が主な仕事で、原稿料で対価を得ます。専門的なジャンルを取り扱う人もいれば、多種多様なジャンルを取り扱う人もいます。最初は単価が低いですが、スキルアップすることで単価を上げられるケースもあります。
原稿のやりとり・クライアントのコミュニケーションも全てオンライン上で完結することが大半で、パソコン1台あれば作業できるのが特徴です。初期費用もほとんどかかりません。

③ネットショップ

自身でネットショップを開設して、商品を販売する仕事です。パソコン自体の知識が乏しくても、ECサイトのプラットフォームを利用することで、ショップの開業・運営ができます。ネット初心者でも挑戦しやすい仕事と言えるでしょう。

在庫を抱えるのが心配という方もいるかもしれませんが、ドロップシッピングという販売方法なども一般的になっています。ドロップシッピングとは、インターネット上のショップなどに商品を掲載して、注文が入ってから業者やメーカーから直接配送が行われる形式です。これならば、在庫を抱える必要はありません。

➃個人投資家

個人の資産で、投資活動を行い生計を立てる仕事です。主な投資には、株式投資やFX(外国為替証拠金取引）、投資信託、外貨預金、国債などがあります。ネット環境の普及により投資へのハードルが下がっており、環境を整えれば在宅での事業が可能でしょう。

次は、専門スキルを活かして働きたい人向けの仕事例です。すでにスキルを備えている場合、独立開業へのハードルが低い仕事をご紹介します。

①学習塾やインストラクターなど教える仕事

学習塾やインストラクターなど指導する仕事では、自分の知識やスキルを活かすことができます。特に資格は必要ありませんが、一般的に講師経験がある人や教員免許を取得している人が多いです。

小規模の学習塾やスクールなら、自宅で開業することも可能です。また、インターネットを活用しオンラインで指導する方法ならば、店舗を必要としません。

②WEBエンジニア、システムエンジニア等のIT職

エンジニアは、プログラミング言語を用いて、オンライン上のコンテンツ制作などの仕事で、単価の高い案件が多いです。単価の高さに比例して、難易度も高いことがほとんどです。
エンジニアの需要は増加している一方で、ITに関わる専門的人材が不足している企業が多いため、十分なスキルがあれば安定した収入が望めるでしょう。
スキルがない状態でこの仕事に挑戦するのは大変ではありますが、スクールに通って学んだり独学で学んだりして、知識を身に付けることも可能です。

③コンサルタント

コンサルタントは、専門スキルを活かしてアドバイスする仕事です。企業の悩みを聞いて、解決策を提案し、改善に向けてのアドバイスを行います。
特に資格は必要ありませんが、その業界の知識やスキル、コミュニケーション力が求められます。
コンサルタントは経営コンサルタントやITコンサルタントなど様々な種類があるので、自分がなりたいコンサルタントに需要があるか検討することをおすすめします。そして、自分が精通している分野であることも必須です。

④翻訳

語学力が身に付いている人向けの仕事で、翻訳の実務経験を重ねて受注をとっていきます。翻訳者は、語学力や翻訳スキルだけでなく、翻訳する内容の専門知識や調査能力も求められます。
高いスキルが必要ではありますが、実力があれば何歳でも翻訳者として活躍することができます。時間や場所問わずマイペースに仕事できるのも、翻訳者の仕事の醍醐味と言えるでしょう。

独立開業しやすい仕事には、共通する6つの特徴があります。6つの特徴に全てマッチしている仕事は独立開業のハードルが高くありません。したがって、初めて独立開業する方でも挑戦しやすい仕事と言えるでしょう。それでは、1つずつ解説します。

独立開業の場合、自宅でできる仕事やパソコン1台で完結することが多く、初期費用は低予算で済むことがほとんどです。そのため、開業準備をするとき、資金確保のための手間や時間もさほどかかりません。
さらに、万が一事業を失敗したときも、初期費用を抑えている分リスクも最小限で済ませられます。

独立起業は、一般的に利益率が高いのが特徴です。利益率が高いということは、単価が高くコストが低いということです。反対に利益率が低いと薄利多売のビジネスになるので、利益を出すのが難しくなる傾向があります。

仮に同じ金額を稼ぐ場合、利益率が高い方が早く稼げることになります。つまり、生産効率が良いのです。単価は、個人向けよりも法人向けの方が大きくなります。さらに、商材を扱うビジネスよりもサービスや情報を提供する無形商材の方が材料費がかからないため、コストを抑えやすいでしょう。

需要が大きく市場のニーズが高まっている業種は、他業種に比べて売り上げに繋がりやすいです。
しかし、現在は人気や需要があっても、将来的にも人気や需要があるとは限りません。時代のトレンド、ビジネスが注目されてからの市場の推移を十分検討しながら、需要が見込まれるのか、成長性があるかを判断する必要があります。

安定した収入を得るためには、リピーターを獲得することが必要です。より多くの人に売ることも大切ですが、一度購入をしてくれた人が二度三度と継続して購入してくれるような商品（サービス）を扱う仕事だと、安定した収入に繋がるでしょう。

店舗が不要な業種であれば、設備・スペースのコストがかかりません。店舗用の土地のリース代、店舗内にかかる賃料や内装、光熱費を必要としない分、月々の経費を抑えることができます。経費を抑えた分、利益に還元しやすいです。

独立開業をするなら、その事業についての技術や知識が必要になります。スキルが一定のレベルに達していなければ、事業として成り立たせることはできません。

しかし、どうしても未経験の業界・業種でビジネスを始めたいという方には、フランチャイズビジネスという選択肢もあります。
フランチャイズに加盟すれば、マニュアルや研修により、一定のクオリティのスキルを身につけることができるのです。事業内容の基礎知識から、どんなサービスをいくらで提供するのか、接客はどうするのか、などの経営技術に至るまで本部のサポートを受けて開業することが可能です。個人で一から事業を興すより、「スキルの積み立て」「仕事の経験」という時間的金銭的コストを抑えることができます。

起業・独立開業を成功させるために、ぜひご注意頂きたい点があります。独立開業後に失敗することがないように例をいくつかご紹介します。しっかりとポイントを押さえておきましょう。

独立開業しやすい仕事の特徴は初期投資を抑えられる点ですが、利益の出にくい開業初期を乗り越えやすくするために開業資金を十分に調達しておくことをおすすめします。
自己資金で足りない分は、早めに融資などで資金調達しておくと安心です。仕入れなど運転資金や設備資金にかかる資金を調達することで、経営の安定化だけでなくビジネスチャンスを広げやすくなるでしょう。

独立開業すること自体を目標にしてはいけません。まずは、自分が何のために起業するのか、なぜその事業をするのか、目的や理由をしっかりと考えることが大事です。
まわりの人が独立開業しているからとか流行っているからなどではなく、独立開業したい目的・理由を明確にすることがポイントです。

自身がやりたい事業を明確にしたら、事業計画を立てます。計画的に事業を進めるために、事業計画書を作成しましょう。民間金融機関から融資を受ける際にも事業計画書が求められるので、事業内容が簡潔にまとまっており且つ無理なく実現できるものであることが必須です。

独立開業できたから安心ではなく、独立開業してからこそが本番です。独立開業するからには、最低限の法律や税金の知識を身に付けておく必要があります。具体的にどんな知識が必要かご紹介します。

経営に最低限必要な法律の知識

独立開業後、トラブルなく事業経営を行っていく上で、基本的な法的知識を学んでおくことが必須です。契約書などの書面のルール、雇用や求人を出す際のルールなどを理解しておきましょう。

税金の知識

独立開業には、税金の知識も必要です。出費を経費として計上できるのかも知っておきたいもの。また、大きな設備投資の減価償却のルールなどを知り、事業資金をコントロールしていく必要があります。
経営者は、正しく税金を納めなければなりません。そのためには、税金の知識も必要です。節税のノウハウの活用についても学び、間違った節税を行わないように注意しましょう。

独立開業は、個人で独立開業する以外にフランチャイズビジネスに加盟して独立開業をする方法もあります。フランチャイズに加盟するメリットは、主に3つあります。

自己資金が少ないときは、足りない資金を調達するために金融機関からの融資に頼ることもあります。フランチャイズの場合は、新しく会社を立ち上げるよりも金融機関から信頼を得やすく、融資も受けやすいです。

フランチャイズの場合、本部から開業や経営面のサポートを受けることができるので、経営未経験でも挑戦しやすいのが魅力です。
商品やサービスなどを考えたり、店舗運営マニュアルや接客マニュアルの作成をする必要がありません。さらに開業前の研修で、スキルや知識を身に付けることができるので、経営未経験でも安心です。

フランチャイズの場合、本部のブランド・知名度があるので、安定した集客が期待できるのが強みです。
フランチャイズ本部にブランド力があると、加盟店は集客に必要以上の手間と時間をかける必要もありません。本部に知名度があるので、開業してから経営が軌道に乗るまで、さほど日にちがかからないことも多いです。

フランチャイズで独立開業を目指してはいるものの、初期経費をできるだけ抑えたいという方も多いと思います。ここでは、フランチャイズで独立開業しやすい仕事を3つご紹介します。

ハウスクリーニングは、エアコンや浴室など、日常の掃除では完全に綺麗にできない設備をプロの技術で綺麗にする仕事です。
一方、家事代行業は食事作りや洗濯掃除など日々の生活に必要な家事を代わりに行う仕事です。作業時間は、どちらもおよそ1案件につき2～3時間です。
ひとり暮らしの高齢者や単身者、共働きの家庭など、ハウスクリーニングや家事代行のサービスを必要とするターゲット層は幅広いため、安定した需要が見込めます。
特に資格は必要ありませんが、整理収納アドバイザーやハウスクリーニングアドバイザーなど民間の資格を取得していると、仕事に活かすことができるでしょう。

飲食業は、フランチャイズビジネスの中でも人気の業種の1つです。飲食業は非常に多くのフランチャイズビジネスがあるので選択肢が多いのが魅力と言えるでしょう。
調理に使う材料は本部から供給されるため、仕入れ費用を抑えることもできるし、商品開発が不要です。さらに、調理技術や集客面でサポートを受けることも可能です。

高齢者向けサービスには、デイサービスや配食サービスのほか、グランドゴルフや俳句、囲碁など趣味に関するサービス、医療マッサージなどもあります。業種によっては許可申請や介護報酬請求などの手続きが多いため、個人で独立開業をする場合は、 開業のハードルが上がるケースがあります。
しかしフランチャイズならば本部に知識やノウハウが蓄積されているので、比較的短期間での開業が実現でき、現場の仕事に集中することも可能です。業界未経験からの参入も少なくありません。超高齢化社会に向けて、今後さらに成長が期待できる業界です。